女性更年期障害専門外来では、
ホルモン補充療法等を用いた専門的な治療を行います。
女性の更年期は、卵巣機能が衰えはじめ、女性ホルモンの分泌が減少する「閉経を迎える前後の期間」を指します。
個人差はありますが、40代半ばから50代半ばがひとつの目安です。
女性の更年期障害は自律神経失調症のひとつで、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの低下によって起きます。
これらのホルモンバランスの乱れが、身体的・精神的な不調の引き金なのです。
女性更年期障害の症状
更年期障害はホルモンバランスが原因の病気です。
冷えやのぼせなどの自律神経失調症の症状、不安・抑うつ・不眠などの精神症状、骨粗しょう症・動脈硬化・認知機能の低下といった症状がみられます。
また、次のような方は重い症状になりやすいと言われています。
- 低血圧で寝起きが悪い人
- 冷え性の人
- 生理不順、生理痛の激しい人
- くよくよ思い悩む人
- 神経質な人
- ストレス解消が苦手な人
- 人間関係がうまく行っていない人
- 人生の生きがいが見つからない人
エストロゲン優勢状態について
一般的に、更年期に入った女性は「エストロゲン減少」によって、更年期障害が始まる、と言われています。
しかし、それと同時に、黄体ホルモンの「プロゲステロン」も減少します。
エストロゲンの減少が、40~60%に対して、プロゲステロンの減少は、0に近くなります。
エストロゲンはあるのにプロゲステロンが少ない、もしくはエストロゲンも減少しているが、プロゲステロンの減少の方が激しい、要するに、プロゲステロンの存在に比べて、エストロゲンの存在の方が上回っている場合の事を「エストロゲン優勢」と言います。
エストロゲンは、細胞の成長を刺激する性質をもつため、使用法・使用量などに細心の注意を払い、うまく扱うことによって、素晴らしい効果をもたらすことができます。
しかしその反面、過剰になるとガンの危険因子となりえます。
一方、プロゲステロンは排卵後に黄体によって造られるホルモンです。
一番重要な役割は、エストロゲンと拮抗し、エストロゲンとのバランスを取ることです。
プロゲステロンのレベルが安定していると、エストロゲン過剰にも対処しやすくなります。
その他、気持ちを落ちつける、癌に対する抵抗力をつける、新しい骨を造る、など様々で、重要な役割を持っています。
しかし、このエストロゲンとプロゲステロンの二つのホルモンのハーモニーが崩れ、「エストロゲン優勢」に陥ると、多くの女性が悩んでいる下記の症状や病気を引き起こす原因となるのです。
- 老化現象の加速化
- アレルギー症状
- 甲状腺炎
- 乳癌
- 乳房の痛み
- 乳腺繊維腫
- 子宮頚管異形成
- 子宮内膜癌
- 子宮筋腫
- 子宮頚癌
- PMS(月経前症候群)
- 多嚢胞性卵巣
- 過多月経
- 生理不順
- 不活発な新陳代謝(脂肪の増加、冷え性、浮腫)
- 精神過敏、不眠、物忘れ、不安感、ふさぎこみ
- 骨の質の低下
- 性欲の減退
当院では、この「エストロゲン優勢状態」にも配慮した、ホルモン補充療法を行っております。
エストロゲンとプロゲステロンの作用の比較
各種女性ホルモン剤の種類と適応する症状
当院で使用しているプロゲステロンクリーム(オーストラリア製)、1日1回皮膚に塗布、1本で5~6ヵ月間使用可能
天然型女性ホルモン剤と合成ホルモン剤の違いについて
ナチュラルホルモンとは、人体自身が作っている体のホルモンと分子構造的、化学的に非常に類似もしくは同一のもので(バイオアイデンティカルホルモンとも言います)、人体が作るホルモンと同等の働きをします。 他方、合成ホルモンはナチュラルホルモンの一部の化学分子の分子構造を変えているもので、ホルモン様作用は示すが、一方では人体にとっては異物であり、副作用を起こす原因となります。
治療方針
詳細なカウンセリングと血液・尿・唾液検査などを行います。
正確なホルモンバランスを調べるだけでなく、ホルモンを作るために必要な栄養バランスまで精密に把握し、総合的に判断し、適切なホルモン補充療法を提案します。
ルネスクリニックのホルモン補充療法では、副作用が少なく安全かつ有効性の高い「ナチュラル・ホルモン」を用います。
ナチュラル・ホルモンは「天然型ホルモン」とも呼ばれ、ヒトが作るホルモンと同一の化学構造を持つホルモンのことです。
治療では、女性ホルモン(プロゲステロン、エストロゲン)、女性用の男性ホルモン(テストステロン)、DHEA、プレグネノロン、甲状腺ホルモンなどを組み合わせて使用します。
また、高濃度のビタミンなどのサプリメントを併用することもあります。
検査や治療は、原則自費となります。