幹細胞の研究や再生医療の進歩には目覚ましいものがありますが、日々の診察の中で痛感するのは、私たちの健康はやはり毎日の食事という『基本』の上に成り立っているということです。高度な医療を追求する一方で、患者様が今日から取り組める体調管理のサポートをすることも私たちの大切な役目です。

日々の診療の中で「なんとなく体がだるい」「疲れが取れない」といったご相談をよく受けます。その原因の一つとして考えられるのが、健康維持に欠かせないビタミン・ミネラル*Ⅰの不足です。本日は、私たちの体の中でこれらがどのような役割を担っているのか、基本から解説します。

1.体の機能を整える潤滑油「ビタミン」

ビタミンは、それ自体がエネルギー源になるわけではありませんが、私たちが生きていくために欠かせない有機物です。ほとんどが体内で作り出すことができないため、日々の食事から摂取する必要があります。

ビタミンはその性質によって大きく2種類に分けられます。

●水溶性ビタミン*Ⅱ: 血液などの体液に溶け、余分なものは尿として排出されます(ビタミンB群、Cなど)。

●脂溶性ビタミン*Ⅲ: 油に溶ける性質があり、主に肝臓や脂肪組織に貯蔵されます(ビタミンA、D、E、Kなど)。

例えば、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える手助けをし、ビタミンCは強い抗酸化作用*Ⅳで体を守る役割を担っています。

2.細胞と心身の活動を支える「ミネラル」

ミネラルは5大栄養素の一つであり、私たちの臓器や細胞の活動をサポートする重要な働きがあります。これも体内で作ることはできないため、食品から摂取しなければなりません。

代表的なものとして、強い骨を作るカルシウムや、全身に酸素を運んで元気を支える鉄などが挙げられます。マグネシウムも極めて重要で、これは骨の形成を助けるだけでなく、心臓や神経が正常に機能するのをサポートする不可欠な役割を担っています。また、亜鉛のように様々な代謝を助ける要素もあり、バランスが重要です。

3.現代医学における栄養管理の重要性

これらビタミンとミネラルが十分に摂取できていないと、体にはあらゆる不調が現れます。現代医学においても、特定の疾患の治療だけでなく、こうした微量栄養素による「体調の土台作り」が、病気の予防や回復に極めて重要であると考えられています。

バランスの良い食事を基本に、必要に応じてサプリメントなども賢く取り入れながら、活力ある毎日を送りましょう。

【用語説明】

●*Ⅰ ミネラル:生体を構成する主要4元素以外の無機物の総称。細胞の活動をサポートする。

●*Ⅱ 水溶性ビタミン:水に溶ける性質aを持つビタミン。

        体内に溜めておけないため、こまめな摂取が必要。

●*Ⅲ 脂溶性ビタミン:油に溶ける性質を持つビタミン。摂りすぎると体内に蓄積されるため、

         適量を守ることが大切。

●*Ⅳ 抗酸化作用:活性酸素から細胞を守り、老化や病気を防ぐ働き。

ルネスクリニック日本橋